「呑津補脳」――「唾液を出して、飲み込む」練習の役目

方法(やり方):
1.唾液を出し、
2.息を深く吸って止めて、唾液を飲み込む(ゴッグンと力を込めて)
3.飲み込んだ後、ゆっくりと息を出す

中国気功には、唾液は非常に重視され、唾液に関する論述がたくさんあります。唾液は「金津」、「玉液」と称します。 「呑津補脳」の説があり、つまり、唾液を飲み込むことは脳みぞを補うことができます。

その役目を簡単に現代語でまとめました。

1、 飲み込む練習で6割以上の誤嚥性肺炎を予防し、減らしましょう。

喉頭部の機能が退化する原因は、頚部、喉頭部の筋肉が弱くなったことです。

誤嚥性肺炎は老年病では非常に多発しています。

誤嚥性肺炎になる年齢の高齢者は、一度誤嚥性肺炎になったら、入院しても、ほぼ正常の食生活に回復することはできません。大変厳しい現状です。

比較的若い年齢から、飲み込む練習をクセのように身につくことで、高齢時の嚥下機能の回復には大変役に立ちます。

2、 喉頭部のポリープを予防、治療する。

3、 さらに胃炎、食道炎の治療、予防にもよい効果があります。食道がん、胃がんの予防に期待します。

4、 唾液の分泌を促進し、口内乾燥症(ドライモウス)を改善し、予防します。

5、 五、六十代の方なら、脳血流を改善し、アルツハイマー、パーキンソンなどの老人性脳疾患を予防や改善に期待できます。慢性の脳血液供給不足のため、老年性疾患の主な原因と言われています

6、 頭面部の血液循環を改善し、表情筋の練習になり、美顔効果が期待できます。

7、 頚、肩部の筋肉を動かし、くび、肩こりを解消します。

8、 頭、頚、肩の筋肉を運動させ、頭痛、目の疲れを解消に役立ちます。増えつづける正常眼圧緑内障などにも予防、治療効果があります。

参考:
――― 唾液の消化における役割は見掛け以上に重要であって、食物を嚥下しやすくし、口腔内を常にぬらせ、食物成分を溶かし出し味覚器の味蕾に到達させて十分な味覚を起こして間接的に消化を助ける。 さらに唇、舌の動きをなめらかにして発声を可能にし、口内と歯を清浄に保つ。また唾液にはある程度殺菌作用もあると考えられる。唾液分泌の不完全な患者(口内乾燥症 xerostomia)はむし歯dental cariesにかかりやすいという。 唾液は緩衝作用をもち口腔内のpHは0.7に保たれる。この緩衝作用はもと胃酸の中和に役立つから、胃酸が食道内に逆流して起こる胸焼けを防いでいる。(『生理学展望』丸善株式会社より)―――